資金移動業とは

銀行以外が為替取引の取扱いを行うときには登録が必要

ここ数年、スマホアプリやWebサイトなどを使って、送金や決済が行える資金移動のサービスが増えてきました。

 資金移動業とは、銀行以外の事業者が100万円以下の為替取引を行う事業者のことで、例えば「●●Pay」などのサービスがこれに当たります。

そのため、この分野への参入を検討している事業者の方もいらっしゃると思いますが、このようなサービスを提供するには、資金移動業者として登録を行わなければなりません。しかし、この登録はハードルはかなり高いものになります。

資金移動業に登録するには資金決済法が定める基準を満たさなければ登録を受けることができません。ちなみに、申請に必要な様式だけで35種類、その基準となる項目は実に160項目以上あり、これらを用意するのに膨大な時間がかかってしまうのです。

日本資金決済業協会によりますと、資金移動業には大きく分けて3つのパターンに分類されるようです。

■営業店型
依頼人が資金移動業者の営業店に現金を持ち込み、受取人が別の営業店で現金を受け取るサービス

■インターネット・モバイル型
資金移動業者が開設した依頼人の口座と受取人の口座との間で資金を移動するサービス

■カード・証書型
資金移動業者一定の金額が記載された証書(マネーオーダー)を発行し、証書を持参してきた人に支払いを行うサービス

これらに限らず、今後は更に新たなかたちの資金移動業の体系も生まれてくるでしょう。

登録後の規制

資金移動業者として登録を受けた後は、次のような規制を受けます。

■資産保全
具体的には、ユーザー保護を図るため、事業者は送金サービスで預かったお金の100%以上の額を供託しなければなりません。例えばユーザーからの預り金が合計1500万円の場合、1500万円以上の供託が必要ということです。なお、供託の最低額は1000万円とされているため、ユーザーからの預り金が700万円の場合でも、1000万円を供託する必要があります。

■情報安全管理
資金決済法、個人情報保護法などの法律に基づいて、ユーザーや業務に関する情報を適切に取り扱わなくてはなりません。

■金融ADR
資金移動業者は、裁判外紛争解決制度(金融ADR制度)の対象になっているため、法に基づいて資金移動業に関連する以下2つの措置を講じなければなりません。

1、苦情処理措置
2、紛争解決措置

■本人確認(取引時)
資金移動業者は10万円を超える取引を行う場合、本人確認が必要です。また、本人確認の記録は、7年間保存しなければいけません。

その他にも、事業に関する帳簿書類や報告書を作成し、これらを提出する義務も生じます。また、立入検査や業務改善命令措置がとられるなど、行政庁の監督下に置かれることになります。

資金移動の事業を展開していくためには、登録申請時や登録後に課されるさまざまなハードルを乗り越えなければなりません。これらは、とくにスタートアップ企業にとっては厳しい条件といえます。

ただし、資金移動業の登録を回避するスキームもありますので、それはまたの機会に記事をUPしたいと思います。