著作権法が改正されました

法改正はビジネスにも影響がある

漫画や書籍などの海賊版対策を強化する改正著作権法が202065日、参議院本会議で可決・成立されました。施行日は202111日です。今までは、違法ダウンロードの規制対象は音楽と映像のみでしたが、今回の改正で漫画や書籍のほかにも、新聞、論文、ソフトウエアのプログラムなど、全ての著作物に規制が広がります。

著作権法の改正によって、ビジネスに影響が出そうなポイントについて文化庁が発表した資料を基にまとめてみました。

30条の4 著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用

著作物(文章や映像)を鑑賞することは、その作品から思想や感情が芽生える行為(享受)であると言えます。そして、その行為(読みたい、観たい)を目的とする場合には相応の対価が必要だということです。その一方で、現在許諾が必要な可能性がある以下のような行為が、無許諾で利用可能となります。

・書籍に関する各種情報を検索し、その結果と共に著作物の一部分を表示する

・人工知能の開発やディープラーニングのため、大量のデータを入力する

・論文などの盗用がないかチェックして、原典の一部分を表示する

 

47条の4(電子計算機における著作物の利用に付随する利用等)

キャッシュ(履歴を残す仕組み)のための複製やコンピューター修理のための一時的複製など、一部の行為については著作権利者の許諾は不要でした。しかし、利用目的や方法が限定的だったため、もっと広くカバーできるような内容に変更されました。コンピューターのキャッシュや、データ消失に備えたバックアップなどの場合は、無許諾でコピーなどができるようになっています。

 

 47条の5(電子計算機による情報処理及びその結果の提供に付随する軽微利用等)

改正前は利用目的が限定的でしたが、将来のニーズに対応するために包括的に変更されています。例えば、今まではインターネットで検索エンジンを使うための複製だけに許されていた無許諾を、アナログ情報も含めた検索サービスなどにも対象を広げました。また、今後新しく生まれるかもしれないニーズを見据えて、「新たな知見・情報を創出する行為であって国民生活の利便性向上に寄与するもの」という抽象的な要件が加えられました。

 

このように、これまで障害となっていた著作物の利用条件が緩和されたことにより、今までよりも便利で使いやすいサービスが提供できるようになります。

また、これからビジネスを始める方はもちろんですが、既に事業を展開している事業者も、この法律によって、何ができて、何がダメなのか、しっかり把握しておくことが必要です。