採用予定の外国人。就労ビザが不許可になったら

不許可になるパターンとは

ビザの申請は、書類を出せば必ず許可がもらえるとは限りません。不許可になるにはいくつかの理由が考えられますが、その理由によっては再申請が可能な場合もあります。では、どんなときに不許可になるのでしょうか。

■そもそも許可されるような事情にない

外国人が犯罪者だったり、働く資格に該当しないような場合は絶対に許可されません。当然ですが、行政書士や弁護士に依頼したとしても結果は同じです。

■書類の不備や説明不足

こちらの理由による不許可が圧倒的に多いように思います。不許可になった理由をキチンと確認して、その部分を補った再申請を行えばリカバリーの可能性は十分考えられます。

 

【不許可になる理由4つ】

申請人(外国人)に問題あり

例えば申請人(外国人)が過去に事件や問題を起こしていたような場合、何をどうやっても許可はおりません。また、隠して申請しても出入国在留管理局は過去の在留状況を把握していますから、すぐにバレます。

在留資格に該当しない

取得しようとしている就労ビザの種類では、その業務ができない場合は当然不許可になります。例えば「製造業」「小売業」「飲食業」などは現場(お店や工場)がありますが、作業員、店員として働いてよい就労ビザ(在留資格)は存在しません(特定技能についてはまた改めて)。例えば飲食店をチェーン展開する企業で「通訳」として採用されたけれど、実際は店舗のスタッフだったとなれば、これは虚偽の申請であり、不法就労が成立します。ただし、新入社員のOJT研修の一環として体験的な配属自体が認められない訳ではありません。その場合でも出入国在留管理局に無断で働かせるようなことは厳に控えるべきです。

採用しようとしている企業に問題がある

具体的には、経営が赤字続きだと、「もうすぐ倒産するんじゃないか?」と事業の継続性を疑われてしまいます。その他では、企業が行っている事業内容と、外国人に就かせたい職務内容を考えたとき「何でわざわざ外国人採用?」など合理性のない場合が不許可に該当します。

学歴と職務内容が一致しない

外国人の出身校における専攻と、就かせたい職務内容に関連性がないときは、許可されません。大学で情報処理を専攻していて、システムエンジニアとして働くなら関連性に問題はなく、許可もされやすいと思いますが、日本文学を専攻していた外国人が、貿易事務で採用されても許可はおりないと思ってください。

 

「申請人に問題がある」「該当する在留資格がない」場合は、あきらめるしかありませんが、「会社に問題がある」「学歴と職務内容が一致しない」場合は再申請の余地ありです。

「会社に問題がある」と判断された場合は、事業の再建策(経営改善計画)や継続性、安定性について根拠資料を揃えましょう(口頭ではなく書面)。また、外国人を採用することで得られる効果なども精神論(夢や希望ば無意味)ではなく、数値に表すなどがよいと思います。「学歴と職務内容が一致しない」場合は企業側で他に何か(学歴とマッチする分野)ないか、もう一度検討してみることをお勧めします。ただし、違う部署(職種)で採用できるなら本当にその部署(職種)に就かせなければ不法就労になってしまいますから注意してください。