「小規模事業者持続化補助金」申請書の書き方
申請は手間を惜しまずしっかりとした準備を
販路開拓等のために交付される小規模事業者持続化補助金。開業したての個人事業主でももらえる使い勝手の良い補助金ですが、コロナ禍に見舞われた2020年になって大きく様相が変わり、採択率が大幅に下がってしまいました。
採択率が下がったとはいえ2020年度だけで10万件近い案件が採択されています。しっかり準備してきちんと申請書類を作成すれば、チャンスは十分にあります。本記事では、小規模事業者持続化補助金の概要や、採択される申請書類の書き方等をご紹介します。
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補助金は採択にあたって審査があります。提出した申請書類に基づき書類審査が行われ、総合評価の高いものから採択されます。以前であれば「WEBサイトを作って新規顧客を獲得する」といった内容でも通っていましたが、現在は単に「WEBサイトを作る」というだけでは難しくなっています。WEBサイトの構築で自社の強みをどのように活かし、販路開拓と売上向上につなげていくか等、一貫した売上向上までのストーリーを審査員に納得させられるように作成しなくてはなりません。
■申請書類の書き方
審査員は短期間に大量の申請書類をチェックするため、書類の書き方が非常に重要になります。
書かれている内容がひと目でわかるように写真や図表を入れたり、強調したいところは太字やアンダーラインでメリハリをつけるなど、読みやすさを心がけましょう。
経営計画書
自社のことをきちんと分析できているかが重要です。できるだけ具体的かつ客観的な記述を心がけてください。
<企業概要>
事業内容、商品、サービス、業績等を記入します。審査員はあなたの会社のことをまったく知らないため、記載されていることだけで判断します。
複雑なビジネスモデルや商品、サービスはできるだけシンプルに、わかりやすく説明しましょう。また店舗、商品などの写真を載せると効果的です。
<顧客ニーズと市場の動向>
顧客はどのような人たちか、できるだけ具体的に書くようにしましょう。その人たちはどんなニーズを持っているか、お客様の声なども掲載できると理想的です。また、市場の動向は小規模事業者なので、自社の商圏に関わる範囲で書くようにするのが良いですが、比較するデータが集めにくい場合は「●●業界の市場動向」というようなものでも差支えないと思います。但し、凝りすぎると逆に伝わりづらくなります。
<自社や自社の提供する商品・サービスの強み>
自社の強みを分析できているかどうかが問われます。ヒト、モノ、実績、ノウハウなどの観点から強みを考えて記載します。事業者である以上、商品、サービスには何らかの強みがあるはずです。お客様から褒められるところ、自信のあるところなど強みをしっかりアピールしてください。
<経営方針・目標と今後のプラン>
創業の想いや経営方針と売上、利益などの目標(できれば短期目標と長期目標)を記載します。自社の方向性でもあるので、補助事業計画書の内容と一貫性のあるものにすることが必要です。
<補助事業で行う事業名>
単に「WEBサイトの構築」などではなく内容が具体的にイメージしやすいキャッチコピー(事業名)を考えましょう。ただし30字以内という字数制限があるので注意が必要です。
<販路開拓等の取り組み内容>
補助金を使ってどのようなことをやるのか、具体的な実施内容を記載します。
・自社の課題がどのように解決されるのか ・目標をどのように達成するか ・自社の強みがどう発揮されるか |
審査員に「これなら売上が増える」とイメージさせることがポイントです。
<補助事業の効果>
売上・利益・集客数・客単価などにどのような影響があるのか。見込みで構いませんから具体的な数値を記載してください。
補助金は、返済を必要としない資金調達です。手間を惜しまずしっかり準備して挑めば採択される可能性も高まります。また、申請して不採択だったとしても、次の募集回で再申請することもできます。ぜひ諦めずにチャレンジしてみてください。