資格外活動許可の28時間を超えてしまったら…
なぜ入国管理局に知られる?
外国人の方が必ず持っている在留カードは2012年、新しい外国人在留管理制度導入の際、「外国人登録証明書」に替わって新設されたものです。在留カードに登録されている情報は、入国管理局だけでなく、各市区町村やハローワークなど、様々な行政機関にも共有されています。
これによって、入国管理局は外国人留学生のアルバイトの状況をより簡単に把握できるようになりました。しかし、賃金がわかったとしても、どうして労働時間までわかってしまうのでしょうか。
まず、留学生のアルバイト先は、従業員の所得税について納税手続きを行います。市区町村はその情報を元に住民税を決定します。当然、外国人留学生の収入額も1円単位で記載されていますから
・地域や業種を勘案して時間給の相場を調べる ・収入額を元に逆算する
たったこれだけで、おおよその勤務時間を割り出すことができます。極端に時間給が高い可能性もあるかもしれませんが、そういう数字はとにかく目立ちますので、入国管理局がおかしいと思えば事業所に立ち入り検査を行い、タイムカードや賃金台帳を確認します(しかもいきなりやってきます)。
したがって、週28時間の制限を超えて働いて、高額なアルバイト収入を得ていた留学生が、留学ビザの更新や就労ビザの取得をしようと入国管理局に申請する場合、入国管理局はすでにその事実を把握していると思っておいた方が良いでしょう。その場合には、退去強制まではされなくても、ビザの更新や変更申請は不許可になります。
事業主として注意しなくてはいけないのは、外国人留学生がアルバイトを掛け持ちしている場合です。大手チェーン店(小売り・飲食など)は、しっかりと労働時間の管理が行われているようですが、アルバイト先の店長がその留学生が、どのくらいの時間アルバイトをしているのかを知らず、シフトを沢山入れてしまい、結果として合計28時間を超えてしまうということもあり得ます。この場合、故意でなくとも事業主が不法就労助長罪に問われます。「うっかりしてました」や「次から気を付けます」はまず通用しません。留学生の方も、勤務先からの申告で必ずばれるのだと考えておいてください。