「在留資格」と「ビザ」の違い

「在留資格」と「ビザ」は別物です

ネットの記事やニュースで「ビザ」という言葉を聞いたことがあると思います。その中でも、外国人を雇用するとなった場合によく耳にする「就労ビザ」という言葉ですが、これは「在留資格」を指していることがほとんどです。そもそも「就労ビザ」というものは存在しないのですが、一般的に俗称として使われています。

 

ビザ(VISA)とは
日本語で「査証」といい、海外にある日本大使館・領事館が発給する「日本へ入国するための書類」のことです。来日を希望する外国人が所持するパスポートが有効であり、かつその外国人が日本に入国しても差し支えないとして、自国にある日本大使館または領事館から発給される、推薦状のようなものであると考えられています。

 

「ビザ」はあくまでも、入国するために必要な書類の一部であり、入国を約束するものではありません。また、入国してから日本で生活する権利を保障するものでもありません。日本で住居を借りて仕事をしたり、生活をしたりするためには別の資格を得る必要があり、それが「在留資格」です。

一般的に「ビザ」と「在留資格」をひとまとめにして「ビザ」と呼ばれることが多く、同じように思ってしまいますが、日本に入国することを認めてもらうのが「ビザ」日本で活動することを認めてもらうのが「在留資格」であり、厳密には別物だということです。

「在留資格」に関する関係省庁は法務省(出入国在留管理庁)であるため、日本国内で申請を行う必要があります。

日本国内には33種類の在留資格が存在し、それぞれ許可されている活動が異なります。例えば、日本に観光に来ている外国人は「短期滞在」の在留資格を所持しています。

「短期滞在」という在留資格は、親族訪問や観光は許可されていますが、就労することは認められていません。何らかの事情で就労をしたい場合は、別途「資格外活動」の申請を行って、許可を受ける必要があります。

「ビザ」と「在留資格」の違いはお分かりいただけたでしょうか?正式には区別するべきもので、内容を理解しておくことも大事だと思いますが、言葉を正しく区別することよりも、採用しようとしている外国人の方が、どういった在留資格で日本にいるのか(来ようとしているのか)を確認し、就職、もしくは転職をする際にどういった手続きが必要なのかを知っておくことです。外国人の方を採用する際には必ずその方の在留資格と有効期限が期限内であるかを確認しておきましょう。