内定を出した留学生の在留資格変更が不許可になったとき

資格変更には「相当」の理由が必要

留学生が就職するとき、在留資格に変更が生じます。この場合、「留学」から「就労可能な在留資格(人文知識・国際業務や技術など)」へ変更する許可を得なくてはなりません。

資格変更をしようとするのには、当然理由があるわけですが、法務大臣は、在留資格の変更が適当であると認める相当の理由がある場合に限り、これを許可することができます(入管法20条第3項)。また、この判断はもっぱら法務大臣の自由な裁量にゆだねられていますが、具体的には、申請人(外国人)の在留期間中の活動状況や在留の必要性、相当性を総合的に判断して、変更を認めるに足りる理由があるかどうかを判断します。例えば、在学中、出席率が悪かったり成績が良くなかったりすると「在留状況に問題あり」と考えられてしまいます。

資格変更の申請を行うときには、成績証明も提出しなくてはいけませんから、出席率や成績に問題があるような場合では、不許可になってしまう可能性が高いと言えるでしょう。

留学生に内定を出そうとするときは、職務内容の関連性や業務量はもちろんですが、成績や出席率も確認して、在留資格に問題がないかどうかしっかりと確認しておいてください。

しかし、そうは言っても内定を出してしまったあと、不許可になってしまった場合、まずは入国管理局に不許可の理由を確認してみてください。改善可能な内容であれば、事業計画の見直しや、外国人が行う職務内容をもう一度検討したうえで、再申請もできます。

ただし、事業計画は継続的、安定的でなければいけません。採用した外国人が入社後の勤務時間中に業務量が少なく、手持ち無沙汰になると推測されたり、根拠があいまいで実現困難な職務内容だったりでは継続的、安定的とは言えず、許可を得るのは困難であると思われます。入国管理局は「ここをこういう風に直してください」とは言ってくれません。事業計画や職務内容の見直しを行う際は、実現可能であることを示すため、根拠となる資料も必ず用意しましょう。

不許可になった理由にもよりますが、再申請はハードルが上がりますから、以上のことを検討されたうえで、再申請を行うか否か、判断してください。

【入管法20条第3項】(抜粋)

法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもつて在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。