起業するときは法人と個人事業主、どちらがよい?
起業を検討しているとき、法人(会社)を設立するか個人事業主になるか、悩まれる方が多くいらっしゃいます。
法人と個人事業主の具体的な違いは何なのか?事業に影響するのかどうか?それぞれの違いについて確認してます。
法人と個人事業では、大きな違いが3つあると言われています。その違いとは
「税金」 「手続き」 「信用」
この3つです。
税金
個人事業主と法人の違いのうち、もっとも大きく違うのは税金です。
個人事業主が支払うのは、個人に課税される所得税です。これは、1年間で得られた儲けに対して課せられます。
儲け(利益)とは、1月1日~12月31日までの売上の合計額から、必要経費を差し引いた金額を言います。
法人の所得に対して課せられるのは法人税です。法人税は必要経費として認められる範囲が広く、税率の上がり方が緩やかになっています。
納税は決算期ごとで、大きく儲かった時でも税負担の割合はあまり変わりません。
ただし、法人の場合は法人住民税や法人事業税、地方法人特別税がかかることとにも注意しましょう。
個人事業主と法人は税率の上がり方が違うため、事業計画と照らし合わせながら、どちらのほうが負担が少ないか、比較してみてください。
手続き
個人事業主の開業届の手続きは、「開業届を税務署に提出する」だけです。手続きが簡単であることから、開業のためにかかる費用が少なく済むこともメリットとしてあげられます。
一方、法人には株式会社や合同会社のほか、合名会社、合資会社など多くの種類があり、いずれの場合も法務局に登記しなくてはなりません。また、それぞれの法人ごとに設立方法が違うため、しっかり確認しておきましょう。
信用
社会的信用は法人の方が優れています。
法人は登記が必要で、会社法などの法律に基づいて運営されるので、社会的な信用が高いと言えるでしょう。登記情報は誰でも会社の重要事項を閲覧することが可能であり、責任者(社長)が誰で、どういった商売をしているのかがわかります。人材採用や金融機関からの融資などの場合も個人事業より有利です。顧客が消費者ではなく企業、特に大企業の場合、個人との取引はしないという企業もあるようです。
法人と個人事業主は、利益の額や業態によってそれぞれメリット・デメリットがあります。どちらが上でどちらが劣っているということはありません。
例えば、利益の見込みが低い場合には、事務や費用負担が少ない個人事業主からスタートして、利益が出るようになってからタイミングを見計らって法人化を目指すというのも一つの手ではないでしょうか。
法人と個人事業主、それぞれのメリット、デメリットをしっかり検討したうえで計画的に起業準備を進めていきましょう。