専門学校卒業の留学生が採用されるには

専門学校で学んだ内容と職務内容の関連性が重要

就労ビザ制度では、専門学校を卒業した留学生が就労ビザを取得する場合、勉強してきた内容と職務内容が密接に関連している必要があります。

日本には様々な専門学校がありますが、関連さえすれば就職が可能かというと、そういうわけではなく、例えば「美容」「ヘアメイク」「声優」などの職種は就労ビザが取れません。理由はこれらの職業を想定した就労ビザが日本にないからです。その他、「飲食店のホールスタッフ」「スーパーのレジ担当」「警備員」「ドライバー」などの単純労働(一部は特定技能によって就業可能)は専門学校卒業者に限らず、大学卒業者であってもその職に就くことができません。

「単純労働」を除けば基本的に専門学校卒業だからといって、就職できない分野はないといっていいでしょう。「美容師」や「警備員」になれなくても、その事業を行っている会社で、マネージメントやスーパーバイザーといった管理的業務に従事することは可能だということです。

ただし、飲食分野については少しだけ様子が違っていて、出入国在留管理局の審査官によれば「飲食業は最初から警戒している」といいます。それは、飲食分野の事業形態では、どうしても現場(店舗のホールスやキッチン)に入る危険性を排除することが難しいのではないかと考えられているからです。職種や業界によってビザ取得の難易度は違ってきますが、就いてもらう業務の専門性や業務量を立証できる資料をより多く用意することで、許可がおりる可能性は十分あるといえるでしょう。

しかし、日本の専門学校卒業者の場合、大学卒業者に比べて審査が厳しくなるという面は、現実問題として受け止めなければなりません。また、海外の専門学校卒業者に至っては基本的に就労ビザを取得するのはほぼ無理といっていいでしょう(実務経験が10年以上あれば別です)。

ビザ取得が可能な業務はというと「専門学校で履修した専門知識や技術が活かせる」ことが絶対条件になっています。日本の職人のように、勘と経験で技術を習得するような業務では認められません。

最近の専門学校では、ビジネス社会で活用できそうな学科が増えてきました。でも、「〇〇情報学科」や「総合〇〇学科」など、何を学んでいたのかよくわからないものもたくさんあるのも事実です。学校側としては色んな科目を詰め込みたいのもわかりますが、ビザ取得の観点からみると、専門性や就労との関連性を見出すことができず、結果、審査においてマイナスになってしまいます。

優秀で人柄がよく、どうしても採用したいという人物であるならば、そこはやはり、採用を検討している会社が、業務内容や業務量、履修した科目との関連性を立証できるよう、任意的な資料を多く提示できるように協力してあげてほしいところです。