融資の面談の概要と注意点
面談では、どんなことを聞かれるのか?
日本政策金融公庫で創業融資を受ける際、必ず担当者と面談しなくてはいけませんが、この面談が意外と厄介で、心配される方が少なくありません。
「どんなことを聞かれるのだろう?」
「事業計画をうまく説明できるだろうか?」
「質問に答えられなかったらどうしよう…」
こんなお気持ちは痛いほどわかります。せっかく苦労して作った事業計画も、公庫の担当者にうまく説明できなければ、たとえ綿密な計画であったとしても、計画の魅力が半減してしまうかもしれません。
だからこそ、担当者との面談はしっかり対策をしておくべきでしょう。
とはいえ、この面談で大方の結果が決まってしまいますから、緊張するのも当然です。また、言ってはいけないNGワードなどもあります。
日本政策金融公庫における面談は、次のような流れになります。
1、融資の申し込み(郵送またはオンライン) ↓ 2、後日、電話で面談日決定のお知らせ ↓ 3、対象の支店で面談(30分~40分程度) |
質問の内容としては、新事業に関する基本的な項目が殆どです。担当者は様々な企業を相手にしているので、何でも知っていそうですが、意外と深いところまで知らない場合が多いです。
色々な質問がありますが、当事務所のお客様が必ず聞かれた質問は以下のとおりです。
・自己資金はどうやって用意したのか? ・事業計画における売り上げ予想の根拠は? ・借金はどれくらいあるか? |
まず、自己資金についてですが、新創業融資制度を利用する場合には「創業時にかかる経費の1/10以上の自己資金が必要」という条件があるため、かなり深掘りした質問がされます。
定期預金などで、毎月定額の貯金をしていたような場合は、通帳の履歴から読み取れますので、あまり深く聞いてこないと思いますが、稀に「いつ頃から創業を意識していたのか」といった聞かれ方をすることもあるようです。
給与等が現金支給の場合には、通帳の記録だけではその経緯はわからないため、給与明細などの提出が必要になることがあります。給与が現金支給の場合は予め準備しておきましょう。また、自己資金の一部を親から贈与されている場合は、その事実を説明する必要があります。このケースでは、親への確認がされる他、その親の通帳の提出を求められることもありえます。
次に、売り上げ予想の根拠ですが、過去に行った同種の事業経験から十分可能と考えているというのが妥当です。ここで気をつけておきたいのは「できると思う」「頑張る」「やる気は十分ある」といった発言は、絶対してはいけません。なるべく統計や調査データに基づいた数字的な根拠を示したり、地域における競合他社の実情などを踏まえたり、実現の可能性をアピールしましょう。
そして、借金についてです。これは正直に答えてください。当たり前ですが、日本政策金融公庫は金融機関です。信用情報機関から情報提供を受けていますので、嘘をついてもすぐにばれてしまいます。細かい金額まで言う必要はありませんが、300万円の借金があるのに「借金はありません」はさすがに無理があります。なお、住宅ローンやマイカーローンなどは審査にあまり影響しません。
その他、家賃や公共料金など、定期的に支払うものに遅れや未納があった場合は、必ずその理由を聞かれます。半年~1年以内に支払いの遅れや未納があった場合、よほど正当な理由がない限り、融資は厳しくなると思ったほうがよいでしょう。
事業計画書を作成するとき、どんなに注意したつもりでも、うっかりミスや見落としが生じたりしますが、面談の時にその点を指摘されてしどろもどろとなってしまうケースも少なくありません。しかし、このようなことは事前に専門家の意見を聞くことで、対策をすることができます。
融資の成功率をあげる対策については、当事務所でもコンサルティングを行っていますので、お気軽にお問い合わせください。